会議が終わるたびに、メモを清書して議事録にまとめる——この作業に毎回30分〜1時間かかっている、という声を中小企業からよくお聞きします。実はこの議事録作成こそ、生成AIが最も得意とする業務のひとつです。本記事では、録音から共有までの4ステップで議事録作成を時短する方法と、業務で安全に使うための注意点をご紹介します。
なぜ議事録は「AIに任せやすい仕事」なのか
議事録作成の中身を分解すると、「発言を聞き取る」「要点を整理する」「決まった形式に整える」という作業の組み合わせです。このうち整理と整形は、生成AIが人よりも速く安定してこなせる領域です。一方で「何が重要か」「誰が何を約束したか」の最終判断は人にしかできません。つまり、下書きはAI・確認は人、と役割を分ければ、品質を落とさずに作業時間だけを大きく減らせます。
議事録は社内向け文書であることが多く、間違いがあっても確認段階で直せるため、生成AI活用の「最初の一歩」としてもリスクが小さい業務です。
議事録を時短する4ステップ
ステップ1:議事録のフォーマットを先に決める
AIに任せる前に、まず自社の議事録の「型」をA4一枚で決めます。日時・参加者・決定事項・宿題(担当者と期限)・次回予定——この5項目があれば十分です。型が決まっていると、AIへの指示も毎回同じで済み、誰がやっても同じ品質になります。
ステップ2:会議を録音し、文字起こしする
会議はスマホやPCで録音し、文字起こしツールでテキスト化します。最近はWeb会議ツールに文字起こし機能が標準で付いているものも多く、追加費用なしで始められるケースがほとんどです。多少の誤変換があっても、次のステップで要約するため神経質になる必要はありません。
ステップ3:ChatGPTに「型どおりの要約」を指示する
文字起こしテキストをChatGPTに渡し、ステップ1で決めた型に沿って整理させます。指示のポイントは3つ——①出力フォーマットを明示する、②決定事項と宿題を分けさせる、③不明な点は推測せず「不明」と書かせることです。「議事録を作って」とだけ頼むより、格段に精度が上がります。この指示文(プロンプト)は一度作れば毎回使い回せます。
ステップ4:人が確認してから共有する
AIの下書きを、会議に出ていた人が確認します。見るべきは「決定事項が正しいか」「宿題の担当者と期限が合っているか」の2点だけ。ゼロから書くのと違い、確認は5分程度で終わります。確認者の名前を入れて共有すれば完成です。
業務で使うときの注意点
①機密情報・個人情報の扱いを決めておく
顧客名や取引条件など、外部サービスに入力してよい情報の線引きを社内で決めておきましょう。入力データを学習に使わない設定(オプトアウト)や法人向けプランの利用も有効です。
②「AIの下書きをそのまま配らない」を徹底する
生成AIは発言の意図を取り違えることがあります。必ず出席者の確認を挟む——このひと手間をルール化しておくことが、トラブル防止の要です。
③うまくいったプロンプトは社内で共有する
議事録用の指示文は、部署が違ってもほぼ流用できます。うまくいった型を共有フォルダに置いておくだけで、社内展開が一気に進みます。
よくある質問
Q. 無料版のChatGPTでもできますか?
A. 可能です。ただし長時間の会議は文字起こしが長くなり、一度に処理できないことがあります。その場合は議題ごとに分けて渡すか、長文に強い有料プランの利用をご検討ください。
Q. 文字起こしの精度が心配です。
A. 完璧な文字起こしは不要です。要約の材料として使うため、多少の誤変換はAIが文脈から補ってくれます。ただし固有名詞(人名・商品名)は間違いやすいので、確認時に重点的にチェックしてください。
Q. どの会議から始めるのがよいですか?
A. 定例会議がおすすめです。毎回同じ型・同じ指示文が使えるため効果を実感しやすく、改善のサイクルも回しやすくなります。
まとめ:下書きはAI、確認は人
議事録作成は、型を決める→録音・文字起こし→AIで整形→人が確認の4ステップで、大幅に時短できます。ポイントは、AIに丸投げするのではなく「下書きはAI、確認は人」と役割を分けること。まずは週1回の定例会議から試して、自社に合った型と指示文を育てていきましょう。
WakaLaboでは、生成AIを使った業務効率化の伴走支援を行っています。議事録のような身近な業務から始めて社内に定着させる進め方まで、「うちの場合はどこから手をつければいいか」からご相談いただけます。
