データ分析の極意(4)データを要約する代表値「中央値と四分位数」

目次

はじめに

データ分析はビジネスの意思決定に不可欠です。特に中央値と四分位数は、データの分布を理解する上で重要な役割を果たします。このブログでは、中央値と四分位数の計算方法、注意点、Excelでの利用方法、そしてビジネスでの有効な活用例を解説します。

中央値とは?

中央値はデータセットの中央に位置する値です。データを小さい順に並べたとき、ちょうど中央にくる値が中央値になります。例えば、データセットが「3, 5, 7, 9, 11」の場合、中央値は7です。

計算方法

  1. データを昇順に並べる。
  2. データ数が奇数の場合、中央の値を選ぶ。
  3. データ数が偶数の場合、中央の2つの値の平均を取る。

Excel関数

  • 中央値:MEDIAN(範囲)

四分位数とは?

四分位数はデータセットを四等分する値です。主に第一四分位数(Q1)、中央値(Q2)、第三四分位数(Q3)が用いられます。

計算方法

  1. データを昇順に並べる。
  2. 第一四分位数(Q1)は、データセットの下位25%にあたる値。
  3. 第三四分位数(Q3)は、データセットの上位25%にあたる値。

注意点

  • 外れ値の影響を受けにくいが、データの分布形態を完全には表さない。
  • 同じ中央値や四分位数を持つデータセットでも、分布の形は異なることがある。

Excel関数

  • 四分位数:QUARTILE.INC(範囲, 戻り値)

戻り値を「0」にすると、最小値が求められる。
戻り値を「1」にすると、 25%点(第1四分位数)
戻り値を「2」にすると、 50%点=中央値(第2四分位数)
戻り値を「3」にすると、 75%点(第3四分位数)
戻り値を「4」にすると、 最大値が求められる。

ビジネスにおける活用例

1. 売上分析

企業の売上データを分析する際、中央値と四分位数は非常に有効です。特に多くの製品やサービスを扱う企業では、売上のばらつきを見るためにこれらの統計値が使われます。

例えば、各店舗の売上データに対して中央値と四分位数を計算することで、全体の売上の中央値や、上位・下位の店舗の売上の範囲を把握できます。これにより、特定の店舗が平均的な売上を上回っているか、または下回っているかが明確になり、さらなる分析につながります。

2. 従業員の業績評価

従業員の業績評価においても、中央値と四分位数は役立ちます。特に、個人の業績が数値で表される場合(例:営業の売上実績)、これらの統計値を用いることで、全従業員の業績の中で個々の従業員がどの位置にいるかを把握することができます。従業員の業績データに中央値や四分位数を適用することで、全従業員のパフォーマンスの平均的な水準を把握し、個々の従業員がその中でどのように位置づけられるかを明確にします。これは、個々の従業員に対するフィードバックやトレーニングの方針を定める上で、非常に役立つ情報となります。例えば、第三四分位数以下の業績を示す従業員に対しては、スキル向上のための追加トレーニングやメンタリングを提供することが考えられます。

まとめ

中央値と四分位数は、データの中心的傾向と分布の広がりを把握する上で非常に有効なツールです。ビジネスにおける様々なシーンでこれらの統計値を活用することで、より深い洞察を得ることが可能になります。Excelなどのツールを活用して、簡単にこれらの値を計算し、ビジネスの意思決定に役立てましょう。

データはただの数字の羅列ではありません。それを適切に分析し、理解することで、ビジネスの成長を促進する強力な武器となるのです。平均値と中央値、四分位数を活用することで大量のデータから傾向を一瞬で要約して把握することができます。

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