データ分析の極意(3)データを要約する代表値「平均値」とは?

目次

平均値の基礎知識

平均値は、日常生活やビジネスのさまざまなシーンで使われる統計の基本的な概念です。平均値を理解することは、データを正確に解釈し、有効な意思決定を行う上で超重要です。

平均値の計算方法

平均値は、データセット内のすべての値の合計を、そのデータセットに含まれる値の数で割ることで求められます。計算式は次の通りです。

平均値=すべての値の合計÷値の数​

平均値の注意点

平均値を使う際には、以下の点に注意が必要です。

  • 外れ値の影響:非常に高い値や低い値(外れ値)が含まれていると、平均値が実際のデータの中心を正確に反映しないことがあります。
  • データの分布:すべてのデータが似たような値である場合と、大きくばらついている場合では、平均値の解釈が異なります。

平均値のExcel関数

Excelで平均値を計算するには、「AVERAGE」関数を使用します。例えば、A1からA5セルにデータがある場合、以下のようにして平均値を求めることができます。

=AVERAGE(A1:A5)

ビジネスにおける活用例

  • 売上分析:一定期間の売上データを集め、その平均値を計算することで、期間全体を通じた売上の傾向を理解できます。
  • 顧客行動の分析:顧客の平均購入額や平均来店頻度を算出することで、マーケティング戦略の調整や在庫管理の最適化に役立てることができます。
  • パフォーマンス評価:従業員のパフォーマンスを評価する際に、個々の目標達成率の平均値を算出し、全体的な効率性や生産性を評価するのに使われます。

注意点

ビジネスにおける平均値の使用には、注意が必要です。データに外れ値が含まれている場合、平均値は実際の状況を歪めてしまう可能性があります。また、データの分布が不均一な場合、平均値だけでなく、中央値やモード(最頻値)など他の統計量と併せて考慮することが重要です。これにより、より包括的なデータ分析と、より正確なビジネス上の意思決定が可能になります。

平均値が良く使われる理由(中央値よりもメジャーな理由)

日本で平均値が中央値よりもメジャーになった理由は、いくつかの要因があると考えられます。これらの要因は日本に限らず、世界的な傾向としても見られますが、特に日本における文化的および教育的背景が影響していると思われます。

  1. 教育における重視:日本の数学教育では、伝統的に平均値(算術平均)の概念が強調されてきました。平均値の計算は直感的で理解しやすく、初等教育から教えられる基本的な数学のスキルの一つです。これに対して、中央値はやや抽象的であり、教育段階での取り扱いが少ない傾向にあります。
  2. 計算の容易さ:平均値は計算が容易で、直感的に理解しやすいという利点があります。特に大規模なデータセットを扱う場合、平均値の計算は単純で効率的です。これに対して中央値は、データを並べ替える必要があるため、計算にやや手間がかかります。(PCが無いと結構、不便)
  3. 広範な応用性:平均値は、統計学だけでなく、経済学、社会学、心理学など幅広い分野で使用されています。これは、平均値がデータセット全体の傾向を捉えるのに適していると考えられているためです。多くの研究や報告で平均値が使用されることが、その普及に貢献しています。
  4. 文化的傾向と意思決定:日本の文化では、個々の例外よりも全体的な傾向を重視する傾向があります。平均値は、全体の「平均的な」状況を示すため、このような文化的背景に適合していると言えるでしょう。

しかしながら、最近ではデータサイエンスの発展とともに、中央値や他の統計量(例えばモードや分散など)の重要性が再認識されつつあります。これらの統計量は、データの特性をより正確に把握するために用いられるようになっています。

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